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Channel: 相木悟の映画評
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第87回アカデミー賞!予想編

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さあ、やって来ましたこの季節!
映画ファンなら、ハラハラドキドキ胸ワクワク!
そう、年に一度の映画界最大の祭典、アカデミー賞シーズンの到来であります!
ノミネートが発表されてから賞が決まる瞬間まで、議論百出、白熱の予想合戦を繰り広げるひと時こそ映画ファンの醍醐味といえましょう。
という訳で今年も、来る日本時間2月23日の授賞式に向けて主要6部門の大予想をしてみようと思います。
(これまでの相木&定やんの激闘の記録は、左記カテゴリー〈アカデミー賞予想〉からどうぞ!)


相木「それでは毎年お馴染み、僕と共に予想をしてもらうゲストを紹介します。浜村淳の後釜を狙う浪花のシネマ・アイ、“通天閣の定吉”さんです!」
定やん「いや~早い。一年経つのはホンマ早いなぁ。白鵬が大鵬の最多優勝記録を塗り替えるわ、『聖闘士星矢』リブート劇場版のアテナ役の声優にモモクロ・ピンクが抜擢されるわ、衆院選の戦後最低の投票率に呆れ果てるわ…、お、そこにおるのは理想の女性像を聞かれて、『未来少年コナン』のラナと即答して周囲にドン引きされた相木君やないかい!」
相木「もしくは『天空の城ラピュタ』のシータでも可です」
定やん「知らんがな!ちゅー訳で、今年はガンガン予想を当てさせてもらうで。去年はあんさんに花を持たせたからの」
相木「とはいえ、唯一監督賞をハズしてますから。僕の方こそ『リングにかけろ』の黄金の日本Jr.よろしく、今年こそ“完全勝利”の四文字を頂戴します。慢心は一切ありません」
定やん「おうおう、とっちゃん坊やが偉そうに。じゃあ、はりきっていきまひょか!」
相木「では例年通り、助演女優賞から!」


○エマ・ストーン(『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡』)
○ローラ・ダーン(『Wild』)
○キーラ・ナイトレイ(『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』)
○パトリシア・アークエット(『6才のボクが、大人になるまで』)
○メリル・ストリープ(『イントゥ・ザ・ウッズ』)


定やん「さっそくやけど遠慮のう手堅くもらっとくで。ずばり、パトリシア・アークエットや!12年に渡ってリアルタイムで一家族の物語を追った『6才のボク~』で、色っぽいヤングママからドスコイ体型のオバチャン時代まで、ありのままをフィルムに刻んだその度胸で決まりやろ」
相木「あの映画の中で、一番損な役割だったかもしれませんね」
定やん「その分、一番心をうつ役柄やったちゅうこと。ずっと太りっぱなしのあんさんも、見習って体重の緩急つけたらどないや?」
相木「う…、絶対突っ込まれると思ってました。ほっといてください!でも『トゥルー・ロマンス』のアラバマがここまで上りつめたのは単純に感慨深い。でも感慨深いといえば、ローラ・ダーンも昨年の父親に続いてノミネートされたんですからドラマチックですよね」
定やん「ほう、ということは、予想はローラ・ダーンかいな。えらい渋いな」
相木「エマ・ストーンです」
定やん「なんでやねん!」
相木「好みです」
定やん「やっぱりかいな。どうでもいいけど、毎年、好みが入ってくるの」
相木「『アメイジング・スパイダーマン』のヒロインとしてブレイクした彼女ですが、アン・ハサウェイみたいに演技派としても今後頑張ってもらいたいのです」
定やん「19回のノミネートとなるメリル・ストリープについては、当たり前過ぎて驚きもないな」
相木「もはや仙人じみてきましたね。メリルにはったおされる前に助演男優賞いきましょう!」


●エドワード・ノートン(『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡』)
●マーク・ラファロ(『フォックスキャッチャー』)
●ロバート・デュバル(『ジャッジ 裁かれる判事』)
●イーサン・ホーク(『6才のボクが、大人になるまで』)
●J・K・シモンズ(『セッション』)


定やん「興味深いんは、エドワード・ノートンVSマーク・ラファロ。『アベンジャーズ』シリーズの新旧ハルク対決やな」
相木「エリック・バナが加わったら完璧だったのに…」
定やん「という風に前フリしといて悪いが、今回はイーサン・ホークや。パトリシア同様のチャレンジ性もあるけど、監督業や小説家としてマルチな活躍で評価をうける彼も、そろそろ受賞の頃合いやろ」
相木「ガチガチの本命狙いでくると思いきや、意外ですね。じゃあ、若いジャズ・ドラマーをスパルタ・コーチする鬼教師役で話題沸騰のJ・K・シモンズをもらいます。氏はTVドラマやサム・ライミ版『スパイダーマン』シリーズの編集長役でお馴染みの名バイプレイヤーで、ついに脚光を浴びる時が来た、といった按配です。あと、エマ・ストーンと『スパイダーマン』つながりということで」
定やん「つながりがややこしいっ!まあ、シモンズは既定路線ではあるけども、なんせサプライズが起きるのが助演部門やからのう…。ムフフ」
相木「定やんの顔が、川合伸旺に見える!続いては、豪華絢爛な主演女優賞です!」


◇マリオン・コティヤール(『サンドラの週末』)
◇ジュリアン・ムーア(『アリスのままで』)
◇リース・ウィザースプーン(『Wild』)
◇ロザムンド・パイク『ゴーン・ガール』)
◇フェリシティ・ジョーンズ(『博士と彼女のセオリー』)


定やん「ココはテッパンで、若年性アルツハイマーの女性役で迫真の演技をみせたジュリアン・ムーア一択!」
相木「受賞経験者を省いて、功労賞的な意味合いでみると、ジュリアン一択ですね。でも僕はあえてロザムンド・パイクをいっときましょう。彼女だって今まで実力を上手く出せなかっただけで、やっと『ゴーン・ガール』の悪妻役に恵まれ、爆裂したインパクトは大です。『007/ダイ・アナザー・ダイ』の頃から注目している身としては、何を今さらと言いたいですが…」
定やん「もともと本役を演じる予定で、製作にも名をつらねるリース・ウィザースプーンが候補に入っとるのも因縁やな」
相木「若手のフェリシティ・ジョーンズを応援したいのも山々なんですが…。そういえば彼女も『アメイジング・スパイダーマン2』に出てますよ」
定やん「『スパイダーマン』はもうええっちゅうねん!」
相木「お次も豪華な主演男優賞!」


◆ベネディクト・カンバーバッチ(『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』)
◆エディ・レッドメイン(『博士と彼女のセオリー』)
◆スティーブ・カレル(『フォックスキャッチャー』)
◆ブラッドリー・クーパー(『アメリカン・スナイパー』)
◆マイケル・キートン(『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡』)


定やん「どや、本部門は今年のひとつの見せ場となる天才科学者対決とシャレこもうやないか?」
相木「著名な数学者アラン・チューリング役のベネディクト・カンバーバッチと宇宙論の科学者スティーブン・ホーキンス役のエディ・レッドメインですね。OK、のりました。受けて立ちましょう」
定やん「わしはエディ・レッドメイン。身体の自由がきかなくなる難病におかされた博士を、見事に内面演技でみせきったと評判やし」
相木「では、僕はありがたくベネディクト・カンバーバッチをいただきます。若干、興行的な惨敗作もあったりしますが、『SHERLOCK シャーロック』にはじまる昨今の快進撃は凄まじいものがありますから。勢いは決定的に彼っスよ」
定やん「と言いつつ、実は本命はマイケル・キートンやったりするんやよな。本人を投影したような落ち目の元コミック・ヒーロー役者を好演した氏に票が集まるような気が…。やっぱ変えようかな」
相木「いまさら何ですか!」
定やん「ちょっとわしの分が悪いような気がしていた…。まあ、ええわい。気をとり直して監督賞いこか!」


☆アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』)
☆リチャード・リンクレイター(『6才のボクが、大人になるまで』)
☆ベネット・ミラー(『フォックスキャッチャー』)
☆ウェス・アンダーソン(『グランド・ブダペスト・ホテル』)
☆モルテン・ティルドゥム(『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』)


相木「僕から選ばせてもらうと、ウェスはマニアックで、ベネットとモルテンにはまだチャンスはあると考えますので、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥですかね。個人的には『バベル』で受賞していてよかった人材です」
定やん「2年連続でラテン系の快挙というのも素晴らしいな。けど、わしはリチャード・リンクレイターしかないと思うで」
相木「やっぱりですか。薄々勘付いてましたが、定やんは『6才のボク~』推しですか?」
定やん「そういうこっちゃ」
相木「対立軸がみえたところで、作品賞に流れましょう!」


★『6才のボクが、大人になるまで』
★『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』
★『アメリカン・スナイパー』
★『グランド・ブダペスト・ホテル』
★『セッション』
★『Selma』
★『イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密』
★『博士と彼女のセオリー』


定やん「今年は、8本。天才科学者モノの対決や、凄まじい評価の追い上げをみせるキング牧師を主役にした歴史ドラマ『Selma』と、大ヒット驀進中のイラク戦争モノ『アメリカン・スナイパー』、サンダンス枠の格闘ジャズ映画『セッション』と話題は尽きんが、二人の予想は…」
相木「僕が『バードマン~』で―」
定やん「わしが『6才のボク~』というこっちゃ」
相木「スーパーヒーロー映画でかつて人気を博した役者がブロードウェイで再起をかけるドタバタを疑似の1カット長回しで描いた『バードマン~』の異彩さを僕は推します。性質上、編集賞にノミネートされなかったのが気になりますが…」
定やん「ばかっつら!異彩を放つというなら、『6才のボク~』にはかなわんやろ。なんせ12年間、同じ役者で物語を紡ぐことに成功したんや。しかも“時間”というテーマにも結実させとる。今後つくられるかどうか分からん、最初で最後の映画かもしれん。今あげとかんでどうすんねんっ!」
相木「あ、熱いっ!定やんの顔が、兄沢命斗に見える!実際、本企画の完遂に対する造り手の称賛は多いでしょうね。それは認めます」
定やん「要するにや、一瞬を切りとった『バードマン~』と、悠久の時を記録した『6才のボク~』との時間対決ゆう訳やな」
相木「刹那の時間に生きる僕と、人生を振り返りはじめた定やんとの見識の違いですかね」
定やん「計画性のない人生と堅実な人生の間違いやろ」
相木「そ、そんな言い方しなくても…。まあ、結果が出てからこの辺りは議論しましょうか」
定やん「御意」


相木「さて、ひと段落つきまして。今年、司会を務めるのはマルチ俳優ニール・パトリック・ハリス。トニー賞やエミー賞の司会をつとめたベテランですね」
定やん「去年も言うたけど、わしは安定感よりセス・マクファーレンのようなヒヤッとする毒ッ気が欲しいのう」
相木「他に注目は、何といっても長編アニメーション賞にノミネートされた高畑勲監督の『かぐや姫の物語』と、短編アニメーション賞にノミネートされた堤大介氏とロバート・コンドウ氏の共同監督作『ダム・キーパー』が受賞なるか?」
定やん「すっかり長編アニメーション部門は、『LEGO(R)ムービー』で決まりやと達観しとったけど、まさかのノミネート落選にはびっくらこいた」
相木「疑問視としては、白人オンパレードのノミネーション結果をうけて、アカデミー会員の思想の片寄りが批判されましたね」
定やん「ほとんどが白人で高齢という現実な。これだけ表面化すれば、手はうっていくんやろうけど、保守性は長年叫ばれてる問題やしのう…」
相木「批判といえば、アカデミー賞は全く関係ありませんが、昨今の説明的な邦題に物申したい。『6才のボク~』のそのまんま加減もどうかと思いますが、ヒドイのが『バードマン~』と『イミテーション・ゲーム~』の説明過多のサブタイトル」
定やん「内容の正しいイメージを浸透させるのが目的なんやろうけど、ちょっと観客をバカにしているような気がして映画ファンの心中は穏やかやないの」
相木「『バードマン~』なんて監督の名前同様、覚えきれませんよ。善処してもらいたいものです」


相木「それでは、最後に恒例の一言。アカデミー賞は世界一豪華な式典であり、かつエンターテインメントなショーです」
定やん「煌びやかなスターのファッションに見惚れつつ、名優の素の表情や政治姿勢が窺えるスピーチを堪能できまっせ!ぜひリアルタイムでご体感あれ!」
相木「それにしても、例によってノミネート作のほとんどがまだ未公開…」
定やん「“予想”というより“希望”やな…」
相木「ぜひ皆さん、今後続々と公開されるノミネート作を観に劇場へ足を運んでください!」


定やん「さあ、そんなこんなでわしと相木の予想は当たるのか、外れるのか?」
相木「泣いても笑っても〈結果編〉に続く!」


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