『キャリー』 (1976)
エモーショナルな鮮血青春ホラーを体感すべし! ホラーと青春モノは、一般的にはセットなイメージがある。理由といえば、犠牲になるのがチャラい若者たちの方が映えるというより、精神が未熟かつ不安定で狂気をはらみ、ある種、死が身近にある若者の心情にホラーが引き寄せられているといえよう。...
View Article『ウォータームーン』 (1989)
長渕パワーみなぎる大珍作を体感すべし! 僕はシンガーソングライター、長渕剛の大ファンである。 いきなりどうでもいいカミングアウトだが、ご容赦を。 親の趣味で幼少時から車移動の度にカーステレオで聴かされ刷り込みをうけていた分、純粋培養のファンといって差し支えあるまい。...
View Article『KANO ~1931海の向こうの甲子園~』 (2014)
全てを覆う球児のひたむきさに感涙せよ! 特に日本人には直球に胸に突き刺さる感動大作である。 本作は、日本統治時代の台湾原住民による抗日暴動をダイナミックに描いた『セデック・バレ』(11)が高い評価をえたウェイ・ダーションの脚本、プロデュース作。長編映画初監督に挑戦したのは、同作に出演した俳優マー・ジーシアンだ。 『海角七号...
View Article『ジャッジ 裁かれる判事』 (2014)
一粒で二度おいしい父子ドラマ×法廷サスペンス! ふたつのジャンルを融合させた、味わい深い一品ではあるのだが…。 本作は、『アイアンマン』シリーズでお馴染みのチョイ悪親父スター、ロバート・ダウニー・Jr.主演作。妻と共に立ち上げた製作会社“チーム・ダウニー”の記念すべき第一回作品だ。...
View Article第87回アカデミー賞!予想編
さあ、やって来ましたこの季節! 映画ファンなら、ハラハラドキドキ胸ワクワク! そう、年に一度の映画界最大の祭典、アカデミー賞シーズンの到来であります! ノミネートが発表されてから賞が決まる瞬間まで、議論百出、白熱の予想合戦を繰り広げるひと時こそ映画ファンの醍醐味といえましょう。 という訳で今年も、来る日本時間2月23日の授賞式に向けて主要6部門の大予想をしてみようと思います。...
View Article『巨人と玩具』 (1958)
普遍的な切れ味光る、社会派コメディ! 世の中が情報化社会と称されるようになって幾星霜。いまやメディアのつくった流行に大衆は確信犯的に踊らされ、なおかつ警戒は怠らない処世術を皆が備えるようになっている。でも自覚はあれど、なんだかんだで結果的に手の内で転がされている現状は、かなしいかな変わってはいない。...
View Article『ジョーカー・ゲーム』 (2015)
誕生なるか、和製スパイ・エンターテインメント! 新進気鋭の才能による新しき日本産娯楽作の登場を祝いたいのは山々なのだが…。 本作は、インディーズ映画『SR サイタマノラッパー』(09)の成功以降、着々とキャリア・アップを刻んでいる入江悠監督作。柳広司の同名ベストセラー小説の映画化という華々しい舞台で、ついにメジャー進出である。...
View Article『味園ユニバース』 (2015)
過去に向き合い、未来に突き進む熱唱! 定番の再生ストーリーながら、コテコテの浪花節が身に沁みる快作であった。 本作は、前田敦子、“乃木坂46”と最近アイドルづいている奇才、山下敦弘監督作。今回主演に迎えるのは男性アイドルグループ、“関ジャニ∞”の渋谷すばるだ。加えて、クセ者監督をコンプリートする勢いのシネフィルのミューズ、二階堂ふみのダブル主演というのだから胸は躍る。...
View Article『ミュータント・タートルズ』 (2014)
賑やかなるカメ忍者アクションを楽しむべし! キモ可愛いキャラたちのドンチャン騒ぎに身を任せる、極上のアトラクション・ムービーではあるのだが…。...
View Article『アメリカン・スナイパー』 (2014)
深き余韻が刻まれるスナイパーの一生! 従軍し、英雄になった男に、戦争はどんな影響を与えたのか?その心理を垣間見る重い人間ドラマであった。 本作は、映画界の長老クリント・イーストウッド監督作。イラク戦争で公式記録160人を撃ち抜いた最強スナイパー、クリス・カイルの自叙伝の映画化だ。...
View Article『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』 (2015)
妖しき世界にいざなうエロティック・ドラマ!ではあるのだが…!? 危険なムード漂うライトなお色気ムービーではあるのだが、如何せん事前情報を得て向かわないとツライ一作であった。...
View Article『テラスハウス クロージング・ドア』 (2015)
人間の愚かさと愛おしさを覗き見る、リアリティショー劇場版! これを新時代の観客参加型映画と好意的にとるか否か?なかなかにユニークな映画体験であった。 リッチな家をシェアして暮らす男女6人の日々を追い、人気を博したリアリティショー『テラスハウス』(12~14)。本作は、ファンに惜しまれつつ放送終了したかにみえた当番組のまさかの復活であり、真の最終章となる劇場版だ。...
View Article『悼む人』 (2015)
死生観を問いかける異色ヒューマンドラマ! 死とは生きる者にとってどういう意味をもつのか?あらためて件の命題に心を揺さぶられる異色作ではあるのだが…。 本作は、08年度第140回直木賞を受賞した、天童荒太の同名小説の映画化。監督と脚本は、12年に当作の舞台版を成功させた大森寿美男と堤幸彦だ。堤監督といえば、同じ原作者とのタッグ作『包帯クラブ』(07)は個人的に名作であった。...
View Article『ソロモンの偽証 前篇・事件』 (2015)
世の不条理に真正面から立ち向かう裁判ドラマ、立志篇! 役者陣と製作陣の直球の熱意に圧倒される、実に観応えのある力作であった。...
View Article第87回アカデミー賞!結果編
ついにこの日がやってきました。 日本時間2月23日、ところはLAドルビー・シアター。 全世界の映画ファンが固唾を飲んで見守る中、映画界最大の祭典、第87回アカデミー賞授賞式が開催されました! それではさっそく、主要部門の受賞結果をどうぞ!! 作品賞●『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』 監督賞●アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(『バードマン...
View Article『花とアリス殺人事件』 (2015)
ちょっぴりエキセントリックな、ほんわか青春グラフィティ! ロトスコープと岩井俊二マジックが融合した不思議な味わいを堪能できる好編であった。...
View Article『續 姿三四郎』 (1945)
若き巨匠が挑みし、野心的続編! 現在、映画界では続編商法、真っ盛りである。当然のようにヒット作には第2弾が派生し、のっけから~部作と銘打つパターンも頻発。背景には慢性的なネタ枯れ問題が横たわり、ファンの間でも賛否両論まき起こっている。ただ、続編に対する議論は現代病などではなく、実は映画黎明期から続いている命題であったりする。...
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