賑やかなるカメ忍者アクションを楽しむべし!
キモ可愛いキャラたちのドンチャン騒ぎに身を任せる、極上のアトラクション・ムービーではあるのだが…。
本作は、1984年にデビューした同名老舗アメコミの映画化。亀のミュータントにして忍者という日本テイストが味付けされた原作は、アニメ、映画、ゲームと各ジャンルで人気を博し、我が国でも比較的なじみの深い作品である。でも僕は映画版を観た記憶があるぐらいで、ほとんど愛着はない。(映画の内容も覚えていない)
しかし今回、生誕30周年記念の大作としてリブートされ、全米で大ヒットを記録し、続編も決まったというのだから、海の向こうではそれなりの需要があったのだろう。例のごとくマイケル・ベイが絡んでいるだけに評価はさんざんであるが、はたしてどんな娯楽作に仕上がっていたのか…!?
ニューヨーク。最近、街を蹂躙している犯罪組織フット団を追っていた地元TV局のレポーター、エイプリル(ミーガン・フォックス)は、ある夜、港でフット団が悪事を働く現場に遭遇。しかも、当のフット団を一瞬にしてやっつけ、あっという間に去っていく謎のヒーロー4人組を目撃する。さっそく上司(ウーピー・ゴールドバーグ)に報告するも相手にしてもらえず、エイプリルは危険をおかしてフット団が襲った地下鉄に潜入。案の定、登場したヒーローたちの後をつけ、その驚愕の姿に気を失ってしまう。彼らはレオナルド、ラファエロ、ミケランジェロ、ドナテロと名乗る“亀”のミュータントだったのだ。その後、エイプリルは彼らが遺伝子操作を研究していた亡父の研究対象であり、自身が面倒をみていた子亀であったことを突きとめ、あらためて下水道を住処にする彼ら(=“タートルズ”)と接触をもつのだが…。
一方、その背後ではフット団がタートルズの細胞を利用し、ニューヨークを危機に陥れる陰謀を進めており…。
昨今のアメコミ映画のリアル指向ブームの下、数多のヒーローが現実世界に実体をもって甦ってきた。本作のタートルズもまた然り。最新技術で甦る亀人間の姿は、その質感から何から必見のクオリティである。が、コミックやアニメのイメージでは可愛らしいマスコット風味なのに、本作の彼らはなまじリアルなだけに実にグロテスク。気合を入れて再現しすぎであろう。それでも観ているうちに慣れてくるという噂であるが…、ごめんなさい、最後までダメでした。というのも、亀4人の人間性(?)をきっちり描いていない為、愛着がわかないのだ。これは痛恨の一撃であった。
ストーリーも真面目にやって、なおかつ笑いを誘っているのが微妙なところ。タートルズや師匠のネズミ、スプリンターが格闘技を覚え、鍛練するプロセスも丁寧に描いている割にはいい加減である。拾った教本で覚えるとは、どういうことだ?どうも匙加減がチグハグだ。
ただ、マイケル・ベイ印のノリだけは快調で、猛スピードのテンポでタイトな上映時間を疾走。一応ノンストップで楽しめはする。
日本刀のレオナルド(リーダー格)、三叉の釵のラファエロ(暴れん坊)、棍棒のドナテロ(頭脳派)、ヌンチャクのミケランジェロ(お調子者)と、専用の武器でバトルに挑むタートルズの、縦横無尽に跳ね回る落ち着きのないアクションも観応えたっぷり。甲羅をボードに雪上で大チェイスを繰り広げるシークエンスの迫力は特筆モノだ。
紅一点のミーガン・フォックスのエロさもまた、眼福。
ある意味、抜かりのないエンターテインメントであり、多くを求めなければ割り切って楽しめよう。次の日は完全に内容を忘れる軽さに、スカッとリフレッシュするのみである。
ちなみに日本描写は、さぞいい加減かと別段期待していなかったが、意外に見るべきところはあった。(役者の日本語演技がヒドかったからか、字幕版でも日本人声優で吹替えられていたのもグッジョブ)
注目すべきは、主従関係。タートルズとスプリンター先生との関係性、そして命の恩人であるエイプリルへの忠義という、己を滅して他人のために尽くす日本人の美徳をきっちり押さえている。これらにアメリカ人が、深層で憧れを抱いている旨がよく分かろう。
またそれは同時に畏怖でもあり、敵側にも洗脳という形で同じ関係性をダブらせているところがミソである。この辺りは興味深い設定なのだが、内容に活かされているかどうかは別問題である。
見かけは年齢不詳ながら、中身は思春期のティーンエイジャーという、タートルズたちの明るさとどうしようもなさもまたチャーミング。そこにもう少し不遇な青春におかれた哀しさといった情を滲み出させてほしかった。
こうしてみると、うまくやれば深みのある面白さが出た可能性もあったと思う。続編ではインパクトのある悪役を配し、この辺りを活かすと、もしかしたら本シリーズ、化けるかもしれない。期待せずに待っていたい。
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キモ可愛いキャラたちのドンチャン騒ぎに身を任せる、極上のアトラクション・ムービーではあるのだが…。
本作は、1984年にデビューした同名老舗アメコミの映画化。亀のミュータントにして忍者という日本テイストが味付けされた原作は、アニメ、映画、ゲームと各ジャンルで人気を博し、我が国でも比較的なじみの深い作品である。でも僕は映画版を観た記憶があるぐらいで、ほとんど愛着はない。(映画の内容も覚えていない)
しかし今回、生誕30周年記念の大作としてリブートされ、全米で大ヒットを記録し、続編も決まったというのだから、海の向こうではそれなりの需要があったのだろう。例のごとくマイケル・ベイが絡んでいるだけに評価はさんざんであるが、はたしてどんな娯楽作に仕上がっていたのか…!?
ニューヨーク。最近、街を蹂躙している犯罪組織フット団を追っていた地元TV局のレポーター、エイプリル(ミーガン・フォックス)は、ある夜、港でフット団が悪事を働く現場に遭遇。しかも、当のフット団を一瞬にしてやっつけ、あっという間に去っていく謎のヒーロー4人組を目撃する。さっそく上司(ウーピー・ゴールドバーグ)に報告するも相手にしてもらえず、エイプリルは危険をおかしてフット団が襲った地下鉄に潜入。案の定、登場したヒーローたちの後をつけ、その驚愕の姿に気を失ってしまう。彼らはレオナルド、ラファエロ、ミケランジェロ、ドナテロと名乗る“亀”のミュータントだったのだ。その後、エイプリルは彼らが遺伝子操作を研究していた亡父の研究対象であり、自身が面倒をみていた子亀であったことを突きとめ、あらためて下水道を住処にする彼ら(=“タートルズ”)と接触をもつのだが…。
一方、その背後ではフット団がタートルズの細胞を利用し、ニューヨークを危機に陥れる陰謀を進めており…。
昨今のアメコミ映画のリアル指向ブームの下、数多のヒーローが現実世界に実体をもって甦ってきた。本作のタートルズもまた然り。最新技術で甦る亀人間の姿は、その質感から何から必見のクオリティである。が、コミックやアニメのイメージでは可愛らしいマスコット風味なのに、本作の彼らはなまじリアルなだけに実にグロテスク。気合を入れて再現しすぎであろう。それでも観ているうちに慣れてくるという噂であるが…、ごめんなさい、最後までダメでした。というのも、亀4人の人間性(?)をきっちり描いていない為、愛着がわかないのだ。これは痛恨の一撃であった。
ストーリーも真面目にやって、なおかつ笑いを誘っているのが微妙なところ。タートルズや師匠のネズミ、スプリンターが格闘技を覚え、鍛練するプロセスも丁寧に描いている割にはいい加減である。拾った教本で覚えるとは、どういうことだ?どうも匙加減がチグハグだ。
ただ、マイケル・ベイ印のノリだけは快調で、猛スピードのテンポでタイトな上映時間を疾走。一応ノンストップで楽しめはする。
日本刀のレオナルド(リーダー格)、三叉の釵のラファエロ(暴れん坊)、棍棒のドナテロ(頭脳派)、ヌンチャクのミケランジェロ(お調子者)と、専用の武器でバトルに挑むタートルズの、縦横無尽に跳ね回る落ち着きのないアクションも観応えたっぷり。甲羅をボードに雪上で大チェイスを繰り広げるシークエンスの迫力は特筆モノだ。
紅一点のミーガン・フォックスのエロさもまた、眼福。
ある意味、抜かりのないエンターテインメントであり、多くを求めなければ割り切って楽しめよう。次の日は完全に内容を忘れる軽さに、スカッとリフレッシュするのみである。
ちなみに日本描写は、さぞいい加減かと別段期待していなかったが、意外に見るべきところはあった。(役者の日本語演技がヒドかったからか、字幕版でも日本人声優で吹替えられていたのもグッジョブ)
注目すべきは、主従関係。タートルズとスプリンター先生との関係性、そして命の恩人であるエイプリルへの忠義という、己を滅して他人のために尽くす日本人の美徳をきっちり押さえている。これらにアメリカ人が、深層で憧れを抱いている旨がよく分かろう。
またそれは同時に畏怖でもあり、敵側にも洗脳という形で同じ関係性をダブらせているところがミソである。この辺りは興味深い設定なのだが、内容に活かされているかどうかは別問題である。
見かけは年齢不詳ながら、中身は思春期のティーンエイジャーという、タートルズたちの明るさとどうしようもなさもまたチャーミング。そこにもう少し不遇な青春におかれた哀しさといった情を滲み出させてほしかった。
こうしてみると、うまくやれば深みのある面白さが出た可能性もあったと思う。続編ではインパクトのある悪役を配し、この辺りを活かすと、もしかしたら本シリーズ、化けるかもしれない。期待せずに待っていたい。
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